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『おしえて ぼくらが持ってる働く権利』おわりに

おわりに
「能力がない」「うちではこうしている」「もう来なくていい」なんて言われると、「仕方ない」「自分が悪い」と思ってしまいがちだ。
 自分を否定されたように感じて、落ち込んでしまうこともある。悔しいから少しでも自分の意地を見せたくて、「あぁ、こっちから辞めてやる」と言いたくなるかもしれない。
 でも、この本で紹介しきれなかったことも含めて、働くことをめぐる問題にはそれぞれきちんと解決の方法がある。1人で考え込んで諦めたり、ヤケをおこしてしまう前に、1人で入れるユニオン(労働組合)に相談してみて。
 とりあえず、身近な誰かに話してみたり、ネットで調べてみるのでもいいから。とにかく、働いていて「なんだかおかしい」と思ったら、まずは自分の気持ちを信じてあげよう。そして、自分だけで悩むのはやめよう。
 この社会には、働いていてつらい目に遭うのは自分が悪い、と思わせるためのしかけがたくさんある。責任ある立場にいる経営者や政治家、メディアに発言の場がある人のなかには、会社や社会の仕組みの原因を問題にせず、若者たちの「やりがい」をあおったり、「自己責任」にして、自分たちの責任を放棄する人がけっこういる。
でも、全部とはいわないけれど、労働問題のほとんどは、あなたのせいじゃない。どちらかといえば、会社や社会の仕組みに原因があることが多いのだから。
 今、日本で働く人の3人に1人は非正社員。会社は期間を定めず直接雇う人の数を減らし、有期雇用の契約社員や請負、派遣スタッフに仕事をさせるようになった。
 そんな勝手を可能にするように法律は変えられ、いつ契約終了と言われるかわからない、派遣会社に3割も給料をピンハネされてしまう働き方が広がっている。
 その結果、若者たちは、ていねいに仕事を教わって、少しずつ仕事ができるようになって自信をもって社会人として成長していく機会に恵まれることも少なくなった。
 それでも、黙っていたら生きていくのがますます大変になってしまう。お互い励まし合って、助け合って生きる力を高め合う場がユニオンだ。具体的な問題を解決していくなかで、自分も人も大切にする気持ちを取り戻していけたらいいなと思う。
 会社の示す労働条件に合わなければ辞めるしかない、と思っていないだろうか。そんなことはない。パート7などで紹介したように、交渉によって条件を変えることはできる。
 ただし、ユニオンは、働く上での困りごとを請け負う便利屋さんでも、自動的に問題を解決してくれるおまかせ機関でもない。
 ユニオンは、あなたが会社のいいなりにはならないと思って自分の権利を主張しようとするときに、自分や仲間をもっとまともに扱ってほしいと思って声をあげるときに、一緒に動くことができるところだ。ユニオンは選ぶことも、自分たちで作ることもできる。
 きっと方法はある。仲間は必ずいる。あきらめないで。
 1本のロープを奪い合って、人をけ落として上まで登る競争をするより、人と協力していまいる場所を生きやすく変えていくほうが楽しい。
 みんなで知恵と力を出し合って、生きていこう!
清水直子

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コメント

こんにちは。
清水さんの真似をしてw、ミクシィ日記からブログにしました。ミクシィの著作権侵害ともとれる規約改定に憤慨しての行動です。
とはいえブログははじめてで、このココログの使い方もよくわかりません(泣) おっつこっつですが、少しずつ読みやすいページにしていこうと思ってます。よろしくお願いします。

投稿: りえぞう | 2008年3月 8日 (土) 16時13分

りえぞうさんようこそ。おお、仲間だ仲間だ。私も同じ理由で勢いで作ってしまいました。ぼちぼちやっていきますので、こちらこそよろしくお願いします。

投稿: 清水 | 2008年3月 8日 (土) 17時31分

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